It's my job...
罪なやつさ Ah
PACIFIC~。いやー、本当に罪なやつ。PACIFICが。じゃなくて、見る百科全書。この本(定冠詞が付かない方のEncyclopedia
of Science
Fiction)のおかげで、この一週間あまり、ひたすら、データ入力。何しろ、この本、前回のエントリでも述べたごとく、全編これ“目の歓び”に満ち溢れた見る百科全書。もう、楽しいんだ。楽しさあまって、つい、余計なことを考えてしまった。SFは、目で(も)楽しむ文学。数ある文学賞の中でもアーティスト部門を設けているのはヒューゴー賞だけ。当然、お気に入りのアーティストによる装画をお目当てに“ジャケ買い”なんてことも、ザラ。で、ある以上、わがPWの書誌データにも「Cover
Artist」という項目を加えるべきではないか? 幸い、ジャンルSFの場合、ISFDB
という超強力なデータベースを利用することも可能。もちろん、必要に応じて現物に当るのは当然。ま、全部やるのも大変だろうから、歴代のヒューゴー賞受賞者に絞る、というテもある。ともあれ、「やってみなはれ」(佐治敬三)。
で、やったンだ。最初は、ヒューゴー賞プロアーティスト部門の受賞者限定。しかし、データベースというものは、網羅的であってこそ意味がある。と、悪魔の囁き(?)。で、つい、フラフラと、これはと思う作品ならば虱潰しに、というふうに戦線を拡大。しかし、それでも、まだ、何かが、囁く。えーい、だったら、SF・ファンタジー・ホラー限定で、ぜーんぶ。これなら文句があるまい。え、ある? 確かにねえ。どうせここまでやるンなら、ペーパーバック草創期を彩った
あの巨匠たち を無視するテはない。で、到達した結論:SF・ファンタジー・ホラーは全部&ヴィンテージ・ペーパーバックについても、ヒントがある限りは、とことん。手元の文献やインターネットソースでウラが取れないものは、現物を引っぱり出して、虫眼鏡でじっくり表紙を検分。うーん、このボールペンの試し書きみたいな書き込み、もしかして、署名? ビンゴ! 後にPocket Booksのアートディレクターとして辣腕を振るうSol Immermanその人の署名(左上)。
そんな地を這うような(?)努力の結果が、384人のカヴァーアーティストと1,050冊のペーパーバック(現在、在庫がある分のみ。在庫切れの分も含めると、405人&1,278冊)。一冊の見る百科全書がもたらす“目の歓び”が転じた真夏の重労働。ホント、「罪なやつ」。でも、ペーパーバックの表紙に書き記されたわずかばかりの痕跡を手がかりにその作者を探し当てる作業は、煩雑ではあるが、楽しくもあった(いろんな小ネタも掘り当てたしネ)。何か、語りかけてくるんだ、「これがオレの仕事だ」と。無署名ならばいざ知らず(実際、自分が担当したイラストレーションに署名を書き込むことを許されたアーティストなんてむしろ少数派。圧倒的多数は「描き人知らず」。Pocket Booksのアートディレクター時代、本の裏表紙等にカヴァーアーティストの名前を表記するようルールを定めたのが前述のSol Immerman)、せっかく署名が残されているンだ、そのボールペンの試し書きみたいな書き込みから描き人を探し当てることが、オレの、仕事……。
Posted: Thu - July 22, 2010 at 10:38 AM |